あなたの事を好きと言わせて(プラリネ)の感想になります。
何をするにも人並み以上に出来てしまうために、熱中するものを見出せず無気力な毎日を送っていた若宮孝介。
ある日、その様子を見かねた祖父は孝介を家から追い出し、甲斐性を身に付けるまで帰ってくるなと言い渡す。
名家である若宮の現当主である祖父に逆らうことができず、しぶしぶ行動を起こすことものの上手くいかず…そんな中、なぜか学園のアイドル・藤倉由希乃が手を貸してくれるという。
『こいびとごっこ、しませんか?』女の子とのお付き合い(仮)がはじまったのであった―――。
恋人ごっこ、という仲になった二人なので序盤は由希乃を中心としての展開になります。
さてこの由希乃ですがなかなかにメインヒロイン力が高い。
アクの強いキャラクターが多い中に一切の嫌味がなく、やけに落ち着きながらも言葉巧みに主人公を手玉に取るあたりがすごくメインヒロインしてるんですよね。喜と楽、正の感情しか表に出さないので存在が眩しい。ここは由希乃ルートにおいても重要なファクターになっているので後々も思い返すところとなりました。
そんなこんなであくまで“ごっこ”という体裁を取りつつ恋人とはなんたるかを学んでいくことになります。
学園では由希乃、放課後に顔を合わせるのがメイドの静さん(CV.遠見はるか)。
若宮家お付きの万能スーパーメイドというスペックもさることながら、主人公との掛け合いではボケ担当。すごく綺麗な日本語といいますか、独特の声の調子で一度聞いたら耳に残ります。古めかしい文体の語り、ただそれだけではなく。静という表情を出さないキャラクターの一本調子のトーンに間を作り出すことで飽きさせない。例えば、「え?今なんて……?」「いい(ー)え。なんでもございま(ほんの一瞬含みのあるタメがある)せん」と短い中にも連想させる情報がある。いや、本当に声優さんすげーって思いました。
幼なじみの七緒や教師の聖華を目にすることもありますが、序盤は特に上の二人に目を引かれました。
主人公が空気なのを除けばヒロインはみんな可愛いので割り切って楽しめましたよ。
そう、序盤は。
こっからは各ルートを軽く紹介
由希乃
遊び感覚の『恋人ごっこ』から真剣に恋人へ。仲が深まると同時に自分に芽生えつつある負の感情に恐怖して…。共通で正の感情しか出さない理由を絡めた話になります。
七緒
由希乃と主人公の距離が縮まることに焦りを感じて自分も『恋人ごっこ』に参加することにした七緒。
五十鈴
主人公に剣道で破れ、師と仰ぐ『師弟ごっこ』。
汐音
親の再婚で兄を持つことになった汐音、男性恐怖症を克服するために『兄妹ごっこ』をすることに。
聖華
ギリギリ30手前で嫁に行き遅れることに危機感を覚えた秋川先生に男性との付き合いを覚えさせる『新婚ごっこ』
一応はこの作品の肝である『恋人ごっこ』をベースにしたルート展開なのですが、正直に言うとどうしてもこの設定が足を引っ張っていると言わざるを得ません。あくまで『恋人ごっこ』が練習期間である、ということを主人公もヒロインも意識してしまっているのでさっさと本当の恋人に進展するチャンスがあっても無理矢理にフェードアウトしてしまう。特に聖華は散々エッチした挙句に別れがくるのでなんだかなーと。ここで『恋人ごっこ』を無視して一緒になるならばそもそもこの設定が要らないんじゃないかと。出オチ感が強かったです。
うーん
それと、主人公の俺なんでも出来るからなーあー面倒くさいわーが相当に鼻につく。
このあたりがネックですね。
こうして設定についてはネガティブ傾向なのですが、上に書いたとおりキャラや声はすごく良いんですよ。
特に聖華と静さん。
今どき教師・メガネ・ヒステリックは間違いなく流行らない。他の作品ではメガネ着脱の選択肢を用意するくらいにまずメガネという存在が淘汰されますし。△メガネの巨乳女教師は人気投票ではダントツ最下位もあり得るでしょう。
だがしかし聖華は違う。いや、正確には避けられない事実なのですが、清々しいまでに突き抜けているので私のようなメガネスキーにはクリティカルでたまらないのです。
![ansk3.jpg](https://blog-imgs-62-origin.2nt.com/a/k/i/akiiross/ansk3.jpg)
30手前で行き遅れへの危機感に焦燥気味の秋川先生かわいい!
生徒間のカップルに嫉妬する秋川先生かわいい!
有栖川みや美さんの「は(↑)ぁ!?」とか「……か、勝手にな(↑)さいっ!」とか甲高い声かわいい!
BBAかわいい!
かわいい!
OKババア、愛してるぜいやー最高でした。
【エロについて】
全26枠中、13枠を秋川先生に割くという圧倒的なヒロイン力。
テキストは短めで使用にはあまり向かないかも。
【総評】
主人公の無気力な人格や、『恋人ごっこ』という要素の調理ミスが目立ってしまうので一般にウケが悪いのは否定できないです。しかし、キャラクターや声優さんの演技と目を見張る部分はあるので惜しいとの言葉を送りたい作品でした。
シナリオ☆☆☆
えち☆☆
音楽☆☆☆
絵☆☆☆☆
75点
静さんは攻略したかった(切実)